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燃料電池の白金代替新触媒C12A7

水素を燃料とする燃料電池に白金代替触媒としてアルミナセメントC12A7を利用;燃料電池作製が容易で低廉


マイエナイト(C12A7; 12CaO・7Al2O3)というアルミナセメント鉱物は,単位胞に12個の直径~4 nmの“籠”(以後ケージと呼ぶ)を持つ多孔質結晶で,ケージ内に内包されている酸素イオン(O2-)を他の陰イオンや電子と置き換えることができる(電子で置き換えた物質をエレクトライドと呼ぶ). 我々は,いろいろなC12A7組成物を生成し,燃料電池のMEAの触媒層に用いて発電特性を評価した.そして,ケージ内包酸素アニオンをフッ素もしくは塩素で置き換え,さらにエレクトライド化した結晶が最も活性な触媒として働くことを見いだした.また,この新触媒は水素極と酸素極両方において活性が認められた. ハロゲン元素置換C12A7エレクトライドについて最も注目すべき点は,その原料費の廉価さと生成コストの低さである.燃料電池用MEAを安価に大量生産することができ,手軽に燃料電池を利用することに繋がる.また,燃料は水素のみではなく,例えばアルコールやNaBH4等を含む水溶液なども候補としてある.有害物質を含まないMEAを消耗品として取り扱うことのできる燃料電池は,環境に優しいエネルギー源として様々な応用が考えられる.

詳しくはこちら→http://www.toyo.ac.jp/nyushi/column/video-lecture/20200722_02.html

  • 技術・研究・製品の特徴
    1.C12A7触媒は水素極と酸素極両方で活性
    アノード(負極)での水素酸化反応(HOR),カソード(正極)での酸素還元反応(ORR)両方において,触媒としての機能を持つ.
    2.原料費の廉価さ
    主原料はカルシウム,アルミニウム酸化物で入手が容易である.また,有害物質を含まないので使用済み材料の廃棄等が簡単である.
    3.生成コストの低さ
  • その技術で世の中の問題がどの様に変化するか
    「燃料電池」とは,化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するデバイスで,水素,炭化水素,アルコールなどをエネルギー源とする.燃料電池は,環境に優しく資源が豊富で,発電効率が高いなどのメリットがある一方で,コストが高く,寿命が限られているなどのデメリットもある.「固体高分子形燃料電池(PEFC)」は,低温で稼働し,自動車や家庭用発電,携帯電話などに広く利用されている.白金代替触媒を使った燃料電池は,これからの再生可能エネルギーの活用において重要な役割を担い,CO2の削減に大きな貢献をすると期待している.
  • 用途(使用)例または将来的な活用例
    燃料電池自動車(FCV)や家庭用発電(エネファーム等),災害時の非常用電源,野外活動の電源,携帯電話,PCの電源など,いろいろな応用が考えられる.アルミナセメントC12A7燃料電池の心臓部分である膜電極接合体(MEA)は安価で有害物質を含まない.このことは,燃料電池のコストが下がり手軽に使用できることを意味する,また,環境を汚さずクリーンなエネルギーを得ることができ, SDGsの様々な分野での目標達成にこの燃料電池は大いに貢献すると考えられる.

東洋大学

水素・アンモニア 新素材・リサイクル

会社情報
所在地
東京都文京区白山5-28-20
設立年月
1887年
業種
教育
得意な分野
エネルギーテクノロジー
企業ホームページ
問い合わせ先
ml-chizai@toyo.jp

セミナー情報

燃料電池の白金代替新触媒;生成が容易で安価

新素材・リサイクル


セミナー概要

まず白金を触媒として利用した従来の燃料電池の活用例と長所短所について触れ,それから,新触媒(ハロゲン元素置換C12A7エレクトライド)の構造や物性について簡単に述べる.次に,実際に新触媒を利用した燃料電池の発電実験結果について詳細を説明する.最後に新触媒を用いた燃料電池の応用と展望について述べる.


セミナー日時
1日目 25日 16:10~16:30

登壇者

東洋大学
理工学部 機械工学科 教授
和田 昇 氏

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<SDGsへの取り組み紹介>

東洋大学の創立者・井上円了は、学問は自己満足に終わるものであってはならない、その成果を応用し社会に役立てるのでなければならない、と指摘しています。本学のあらゆる教育・研究活動は、すべて世のため、人のため、社会のために行われていくべきでしょう。今日、深刻な社会の課題は地球規模においてつながっており、本学の教育・研究活動はその地球社会を覆う諸問題の解決に向けてなされるべきです。現在、それらの課題を網羅したものとしては、国連で推進している「持続可能な開発目標」、SDGsがあります。このSDGsの根本理念は、「誰一人取り残されないように」(No one will be left behind)にあります。総合大学である東洋大学は知の拠点としてこのSDGsに積極的に取り組むことを通じて、地球の未来に大きく貢献する大学となることを目指します。すなわち、Globalizationが進んだこの現代社会において、真のHuman valueの実現を果たすべく、Creativityを発揮して、SDGsの観点からInnovationを現代社会に巻き起こす大学を実現してまいります。  


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